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松川地熱発電所の課題

課題

地熱発電所は、石炭、風力、太陽光発電所よりも1ギガワットあたりの土地利用が少ないです。また、温室効果ガスの排出が少なく、平均的なエネルギー出力の寿命にわたってほとんどの従来のエネルギー生成技術よりも水の消費も少ないです。そして、地下から取り出された蒸気と水を地球に再注入して原料を補充できるため、地熱エネルギーは再生可能です。基本負荷は安定しており、一年中、一日24時間、一週間7日間、あらゆる天候条件下で電力を安定して生産します。
経済産業省(METI)が公表したデータによれば、日本はアメリカとインドネシアに次いで世界で3番目に地熱資源が豊富な国です。松川などの発電所の労働者が蓄積した技術的な専門知識と、東芝や三菱などの地熱タービンの世界トップの供給業者の中に入っている製造業者と共に、日本は輸入化石燃料に対する依存度を減らすために必要なものは揃っています。では、なぜ日本の地熱産業は遅れているのでしょうか?
その一つの理由は、地熱発電所の建設には時間がかかり、化石燃料発電所よりも出力が少ないということです。地熱発電所は通常、遠隔地に位置しているため、初期建設費用がかかります。さらに、地熱発電が可能な条件かどうかを判断するための高額な試験掘削が主に民間の開発者に任されています。日本の地熱資源の大部分が国立公園や保護地域内にあるため、風景や環境に対する掘削の懸念、そして成功の保証がない高額な初期費用が、事実上、業界への民間部門の投資を妨げてきました。

2011年3月の東北地震と津波の影響

その現状は、2011年3月の東北地震と津波、そしてその後の福島第一原子力発電所での3つのメルトダウン災害の後に変わりました。2012年7月に国政府は、再生可能エネルギーを支援するための投資、革新、コスト削減の良いサイクルを作ることを目指した固定価格買取制度(FIT)政策を制定しました。この動きは地熱に有利に働き、変化が見えてきました。

2017年度の合計の16%から2030年度には22%から24%に増加させるという目標に向けて、日本政府は地熱資源の開発により大きな役割を果たすと述べています。2020年4月から、国有の日本石油、ガス、金属国家公社(JOGMEC)が、経済産業省の監督の下で、潜在的な開発者を代表して財政的にリスキーな初期段階の試験掘削を行います。経済産業省の自然資源・エネルギー庁(ANRE)は、2030年には国内の地熱能力が現在の2019年のほぼ3倍の140万キロワットに達すると推計しています。東北地方では、7,499キロワットのフラッシュスチーム施設であり、平均的な15,000世帯の温水と電力需要を満たす能力を持つ松尾八幡平地熱発電所が2019年1月に開設されました。2019年11月時点で、岩手県に3つ、秋田県に1つの発電所が開発中です。松川発電所の運営者である東北持続可能&再生可能エネルギー株式会社は、地熱、水力、風力、太陽光発電施設からの2017年の総出力を2030年までに約40,000キロワットに倍増させることを目指しています。

松川地熱発電所
日本で稼働中の地熱発電所のリスト。データソース TENPES(2018年)

松川地熱館

敷地内の松川地熱館は5月から11月中旬までの火曜日を除く平日の9:00 a.m.から4:00 p.m.まで訪問することができます。事前予約は不要です。施設の歴史を語る映画(日本語)には、初の地下蒸気貯蔵庫に到達するために労働者が掘削する壮大なヴィンテージ映像が含まれています。展示されている機械遺産、例えば石を切り抜くために設計されたドリルビット、掘削サンプル、高クロム耐熱12CR鋼で作られたタービンローターブレードなどは、エンジニアや学生に特に興味深いものとなるでしょう。また、ここには1993年に引退したオリジナルのタービンも展示されています。エンジニアスタッフの一員によるプレゼンテーションは事前の予約で聞くことができます。
バスで松川地熱発電所まで盛岡駅から約2時間です。車であれば、東北自動車道の松尾八幡平出口から25分です。